「ホタルの光、窓の雪…」というわけで、電気のなかった昔の人は、それはそれは本を読むにも苦労したらしい。そんな二宮金次郎の世界にひたりたい人は、まずゲンジボタルを二○匹程度用意してほしい。これだけのホタルがいれば、なんとか新聞くらいは読める。ゲンジボタルの光の明るさは、腹の下二センチのところで、三~四ルクス。一匹でも新聞の上にはわせれば、その周囲の文字も読めるほど。二○匹集めれば、七○ルクスくらいにはなるわけで、たしかに「ホタルの光…」と歌われた内容はウソではないのだ。もっとも、七○ルクスあっても、ホタルは光を点滅させるから、読みにくいことはかなり読みにくいが。ただし、ホタルのもう一方の雄、ヘイケボタルは、読書には不向きだ。ヘイケボタルは、体長がゲンジボタルの半分くらいしかなく、光の明るさもかなり落ちるからだ。それに、光が点滅するテンポも速いから、かなりの数を集めないと、蛍光灯がわりにはならない。
冬、ビルのエレベーターのスイッチを押すと、ビリッとくることがある。これは、体に静電気が帯電しているせい。空気が乾燥しやすい冬は、人間の体も帯電しやすく、セーターを脱いだときなど、バチバチッと音がすることがあるのはご存じのとおりだ。この静電気、電圧にすると、なんと数万ボルトにもなる。もっとも、流れる電流がきわめて少ないため、人体にはまず影響がないが、この不快な静電気をただちに消してしまう方法を紹介しよう。それは入浴。といっても、ただ湯船に入ればいいというのではない。湯船に入ったら、両足を前に投げだし、水道の蛇口にのせるのである。こうすると、体にたまった静電気が、水道の蛇口に流れる。つまり、洗濯機などについているアースの原理と同じなのだ。この方法は、じつはスチュワーデスがよくやるもの。飛行機のなかというのは、空気が乾燥し、大気との摩擦で静電気が起きやすい。そのため、彼女たちは、ステイ先のホテルに到着するや、まっさきに風呂に入り、先の要領で両足を投げだすのだそうだ。